個展用の陶板の絵付け窯の窯出し。
なんと絵の具が触ると剥離してきた。
上絵の部分が剥がれて悲惨な事に。
たまにあるけどまたなった、という感じ。
2種類の成分の違うガラスの組み合わせなのであり得る。
ただそれらがほとんどは許容範囲に収まってるのでこうはなりにくい。
私の使ってる上絵の色絵が発色金属に対してガラス成分が普通のものよりかなり多い。
色を出すためには厚塗りしないといけない。
効果はその方が透明感があって綺麗。
ただ下地の本焼きのガラスに対しては拒否反応が起こりやすい。
それでこうなる。
いつも起こるとは限らないので困る。
貫入が入ってひび割れれるのはどんな時でも必ずなるのでこれは無視。
ただこの陶板でも剥がれないところもある。
何がどう違うのか決定的なものがわからなくていつもドキドキ。
なんとか解決策はないものかと思案ばかり。
この現象について聞いた話。
私の先生の北出不二雄先生のお父さんの塔次郎さんの事。
まだ不二雄先生が学生の頃、富本憲吉さんが上絵の勉強に、と工房に来てた。
すでに人間国宝ではなかったか。
その解決を教えてもらうために北出塔次郎さんのところに来てた、何ヶ月かいたらしい。
と話をされてた。
それほど厄介な問題。
絵の具を薄くすれば解決するがそれでは面白くない。
ただこのあたり普通の人が見たら比べないとわからないだろう。
それに私の厚塗りのガラス質の良さを知らなければそれで終わってしまう。
なんとも歯がゆい。