石井宏志焼物工房

西脇で焼き物をしています。徒然なるままにアップしています。

5/22 Mon No.2280

上田秀人。

たまたま見つけた時代小説家。
この人の本を読むようになって江戸幕府や武士、江戸の町などの見方が変わった。
時代考証もしっかりしていると思う。
250年以上続いた江戸幕府
しかも武士という非生産性の階級が権力を握る。
本職は戦い、でもそれはまず無い。
米が基準価格であったために経済システムが回らなくなって金が権力の裏方を務めるなどなど。
その前に江戸の生活の仕組みがよく述べられていて、よくみるテレビや他の本に書かれていることがおかしい、と思うことも多い。
作者は歯科医師で医学にも詳しくそういう役の登場人物がメインのシリーズ本もある。
これなんかそう。
これがこのシリーズの初めでもある。
この後御広敷用人、聰四郎巡検譚と続く。


普通の人が目につけることがない役目の人物を元にした話も面白い。
こういう切り口があるのかと感心しながらストーリーテラーでも成功している飽きない作家だと思う。
短期間で多くの作品を描いてるので濃密ではないがいい意味で大衆的。