陶芸美術館の古伊万里展。
期待してた鍋島はいいのがなかった。
入れ替えてるので前期にあったかもしれない。
でも江戸から明治にとサブタイトルがあるのでないのだろうな。
コレクションの目的にもよるが庶民の生活の中での伊万里を求めたのかもしれない。
全体を見渡して感じたのは「産業」としての焼き物なんだという事。
贈答にしか使われなかった鍋島はコスト無視。
でも今回の展示物は工芸ではあるけどその前に採算もあり、量産もあるという産業であるべきだ、の主張。
これは当然のことで生産を続けるためには無視できない。
初期鍋島もヨーロッパに輸出が無ければ成り立たなかった。
ただ当時は手作りしか方法がなかったのでその技術がとんでもなく進んでいった。
今から思えば神業のような技術。
結果として骨董的価値が高いものとなってる。
今回の展示は上手に手抜きして多くを描くけど一番楽な方法、もしくは印刷を使っての技法など。
それはそれで面白い。
墨はじきも精緻を極めるのでなくちょっとだけ、という感じだった。
このコレクター、神戸のランプミュージアムの創設者だった。
これには驚いた。
強い思いで次代にこれらを残そうとしたのが伺える。
勝手知ったるところだが、スタスタ歩けない。
ゆっくりと休み休み動いた、
まるで年老いた老人のように。
しばらくはこんな状態が続くのだろう。