予報通り朝から雨。
少し前とは変わって寒い一日。
切った薪は一部濡れてたがそう影響はない。
でも目の前で濡れてるのを見ると気になりナイロンをかけた。
野晒しのはべたべたでも気にならないのに不思議。
黒い海。
船は突然深海へ消えた。
カツオ船第58寿和丸が沈没しそうもない所と気象条件でなぜか短時間で沈没。
3人助かり17人が亡くなった。
福島県沖5000メートル余りの深さの深海の底に。
こんな重大事故があったのに覚えていない。
大きく新聞報道もされてたはず。
最終的に潜水艦との関わりを推定しているが私はすぐに潜水艦では、と思った。
著者は作家というより記者に近い。
事故そのもでなく事故原因とその対応についての話。
この本以外で情報を持ってないので述べられてるのが事実としたらが大前提ではあるが大いに考えさせられる。
(事実だろうと思う。)
船主は福島県魚連の責任者でもある。
正に2重の苦難に遭遇してしまった。
その苦難を述べながら問いかけてるのは国、とは何か、だ。
もちろん関係した被害者のことも詳しく書いてある。
事故調査や安全委員会は国の機関。
でもそれは国民の方を向いてなかった。
彼らは個人としては違っても組織の中では違う。
国民のためにあるのではないなあと。
これは今までの多くの国相手の裁判を見てれば感じる。
一体誰のために国はあるのかと。
国イコール国民でなく、国、という形態なのか。
この手の問題を目にするといつもこれを感じる。
著者はよく取材していて地道な努力を重ねている。
よくこれだけ調べたものだと驚く。
登場する国の機関の関係者の発言の大半はとても納得できるものではない。
著者はなんとか真実を追求したいと思っている。
そうすることで関係者や亡くなった人たちも報われることだろう。
著者に脱帽。
日本エッセイストクラブ賞を受けてる。